Rainbow in Nakanoshima, Osaka
April 2010: 中ノ島の虹
大阪、中ノ島。その東の突端にある、この不思議な噴水は、定時になると水を噴き出す。私たちが中ノ島を探索しながら、やっと東の果てにたどり着いたとき、まさしく時は午後5時で、私たちの目の前で、突然水を噴き出したのだった。そんな事とは露知らなかった私たちは、驚いてその水を見つめた。すると、光の加減で、なんと美しい虹が!あわててカメラを構えて、何とかうまくその瞬間を収める事ができた。
水は、ほんの5分で止まってしまい、まるで今までの興奮がうそのように、あたりは静まり返ってしまった。ちょうど、私たちがその場を離れようとしている時、二人の警察官が、のんびりと自転車でやってきて、「ああ、あれ、あれ、あの噴水。」と言って自転車を降りた。「あれ、夏なんかなかなかいいんですよ。もう、そろそろ始まる頃でしょう。」と言って待っている。わたしは、「実はもう終わったんですよ。」と言いそびれたまま、その場を離れてしまった。
思えば、大阪にこうしているのも奇跡。4月16日に、思いスーツケースを引きずり空港のカウンターに着いたら、飛行機は火山灰の影響で飛べません、といわれたのだった。それからもう一週間も、次に飛行機が飛べる時を待ち続けながら、こうして関西空港に近い大阪で過ごしている。いったい飛行機はいつになったら飛ぶのか。いろいろな事を心配しだしたら、もうきりがない。つい、いらいらして、気がついたら口げんかをしている状態にはっとした。いつもいつも、あんなに日本にいたくてしょうがないのに、今、やっとこうしていられるのに、私は何をしているのだろう。今、できるだけのことを精一杯して楽しもう。それからは、せっかく日本にいられるのだから、と、毎日いらだっている主人をよそに、長引いた日本滞在をひそかに喜んでいる私だった。大阪には一度も来たことがなく、文字通り右も左もわからない私たちだったが、ホテルでくれた地図を頼りに、いろいろなところを見て歩こうと努力した。そのおかげで、地元の人でも見過ごしてしまうような、こんな一瞬の虹のショーを見ることができた。禍福はあざなえる縄の如し、とはよく言ったもの。あの火山灰の「お陰で」、私は今こうして、私の大好きな日本で、美しい一瞬を経験する事ができたのだった。
